祇園祭の「休み山」の鷹(たか)山(京都市中京区三条通室町西入ル)が25日、京都市東山区の八坂神社で囃子(はやし)の奉納を行った。今年新調された鉦(かね)8丁がお披露目され、復興への着実な歩みをアピールした。
鷹山は1826(文政9)年の風雨で懸装品を傷めて以降、巡行を休んでいる。64(元治元)年の大火では山本体や懸装品を焼失した。
保存会にはこの大火の被害にあった、1786(天明6)年製の鉦が一部溶けた状態で残っており、これを元に今年、新たな鉦を鋳造した。囃子方は2014年に復活しているが、これまでほかの鉾から借りた鉦を使っていた。
舞殿であった奉納演奏には鷹山保存会の約30人が参加した。焼損した鉦を本殿に向けて置き、約30分間「三番叟(さんばそう)」や「葵」などと呼ばれる曲を演奏した。
鉦方の小中学生8人は真新しく、金色に光る鉦を鳴らした。高倉小5年能村陽翔君(11)は「音はもっと小さいかなと思っていたけど、よく響いたので驚いた」と話した。
保存会の山田純司理事長(62)は「澄んだ、余韻の残るいい音色だった。新しい鉦を作ることができ、先人たちにもよくやった言ってもらえると思う」と笑顔を見せた。