(屏東 11日 中央社)南部の屏東県政府文化処は、同県に複数残されているトーチカが第2次世界大戦中に残された日本軍の軍事施設だと分かったのを受け、遺跡を再利用し、文化的な観光スポットとしての活用を目指そうとしている。同県は、今後は遺跡の登録指定や活用方法について議論し、地域と協力して保存を進めていく。
同県南西部には“忘れ去られたトーチカ”が数多く残されているが、地元では詳細は知られていなかった。同県政府が先日、文化資産の専門家を招いて調査を行ったところ、70年以上の歴史を有する軍事施設の遺構だと分かったという。
同処によれば、第2次世界大戦当時、日本軍は米軍が屏東から台湾に上陸する可能性があると考え、2万人近くで構成された第50師団を駐屯させて防衛を固めていた。同師団は台湾の主力部隊の一つで、県内には今でも司令部や防御基地、前進観測塔などの軍事施設が残されている。
米軍は沖縄やフィリピンから侵攻したため、屏東で地上戦が行われることはなかったが、重要な拠点は米軍による空襲を受けた。