京都市が9月市議会に提案する宿泊税の条例案で、宿泊料金による税額を3段階に区分し、宿泊客の大半が含まれる1泊2万円未満の場合は税額を200円とすることが12日、分かった。宿泊料金2万円以上5万円未満は税額500円、5万円以上は1千円とする。宿泊客の全員を対象とするのは全国初となる。
条例案では、有識者の検討委員会が市に8月に提出した答申に沿って、旅館やホテルだけでなく、住宅を使う民泊も含めた全ての宿泊客に負担を求めるとした。宿泊業者が徴収し、市に納税する方式。無許可営業が問題となっている違法民泊の宿泊にも課税する。
すでに宿泊税を導入している東京都と大阪府は1泊1万円未満の場合は課税しておらず、東京都は1万5千円以上で200円、大阪府は2万円以上で300円が最も高い税額となっている。市は1泊5万円以上の区分を設け、市内で増えている高級宿泊施設の利用者から一定の負担を求めることにした。修学旅行生は課税を免除する。
9月市会は21日に始まる。条例案が可決されれば、総務相の同意を得るための協議の後、観光客や市民への周知期間が必要となり、導入は2018年秋となる見通し。市内では宿泊施設の不足や観光地周辺の混雑が課題になっており、市民生活にも影響が出ているため、財源を活用して対策に充てる。