伝統的な衣装で披露した韓国茶席(上)、香り高いウーロン茶を楽しんだ中国茶席
お茶を通した文化交流を図る「源氏物語と枳殼邸大茶会」がこのほど、京都市下京区の東本願寺渉成園(枳殼邸)で開かれた。日中韓3カ国の茶席が設けられ、それぞれの茶文化を紹介した。
古典の日推進委員会が、「古典の日」制定5周年と東アジア文化都市2017京都の開催を機に催した。
中国茶席では中国政府公認高級茶芸師の唐牛裕子さん(71)が、急須と蓋碗(がいわん)で2種類のウーロン茶のいれ方を紹介。お湯は高温で時間を守ることなどポイントを説明しながら、香り高い茶をふるまった。参加した長岡京市の無職吉田美智子さん(77)は「本格的な中国茶は初めて。雰囲気もよく、ゆったりとした気持ちでいただけた」と楽しんでいた。
韓国茶席では、高麗時代の衣装を身につけた男性が抹茶の基本点前を披露したほか、日本茶席は裏千家学生茶道研究会の大学生らが、源氏香や秋にちなんだ道具を使い、薄茶を呈した。
韓国茶席を主宰したウリ伝統文化協会の尹道心さん(60)は「お茶は3国共通の文化。政治的にはいろいろな問題があるが、文化を通して互いを理解し、よい友人関係を築くことができれば」と話していた。
また枳殼邸が、光源氏のモデルともされる源融ゆかりとされることから、朗読グループ・古都による「源氏物語」の朗読もあった。