室町中期の禅僧・一休宗純が作り始めたといわれる「一休寺納豆」の製造が、京田辺市薪の酬恩庵あん(一休寺)で始まった。
六つの桶おけに、蒸した大豆計360キロと大麦を煎った粉計300キロを入れて麹こうじで発酵させ、熱湯で溶かした塩を加える。毎年、盛夏を迎えるこの時期から翌年5月まで、田辺宗一住職(67)が晴天時にかき混ぜて天日で乾燥。2年をかけて熟成させると、糸引き納豆とは異なり、塩辛く黒い粒に仕上がる。
同寺で晩年を過ごした一休は、保存食として推奨したとされるが、最近は茶請けのほか、洋菓子やフランス料理の隠し味としても好まれるという。田辺住職は「伝統の風味を受け継いでいきたい」と話す。
100グラム850円(税込み)で、同寺で販売している。