関西美術院(左京区)
熊谷家住宅。奥が主屋。手前が門と塀
▽文化審 関西美術院など答申
国の文化審議会は、関西美術院(左京区)、藤野家住宅(中京区)の主屋(しゅおく)・土蔵・門と塀、熊谷家住宅(下京区)の主屋・門と塀の計6件を、国の登録有形文化財(建造物)にするよう文部科学相に答申した。
関西美術院は、洋画家の浅井忠を中心に設立された洋画研究所だ。鉄板ぶきの木造平屋建てで、建築面積は244平方メートル。建築家・武田五一の設計で、1906(明治39)年に完成した。北側の窓からの採光で、アトリエ内の自然光の変化を小さくする工夫をしている。洋画を学ぶ教育施設として、現在も存続している点で貴重という。
藤野家住宅は白生地問屋で番頭格を務めた藤野外次郎による建築。瓦ぶき木造2階建ての主屋は数寄屋風で、1926(大正15)年の建設。建築面積は102平方メートル。38年建設の土蔵はしっくいで仕上げられている。門や塀を加え、屋敷構えをつくっている。
熊谷家住宅は呉服商・熊谷次商店の店主宅として24(大正13)年ごろに建設。主屋は瓦ぶきの木造2階建てで、建築面積は186平方メートル。大理石のマントルピースのある本格的な洋間も備える。板張りと土壁で仕上げた門と塀は、主屋と一体的な構成となっている。