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開業した1981年の翌年度以来33年間にわたって赤字続きだった京都市営地下鉄事業について、市は3日、2015年度の経常損益が黒字になったと発表した。利用客の増加などが要因で、黒字額は8億4800万円となり、前年度と比べ17億1千万円改善した。(22面に関連記事)
収入は前年度比12億7900万円増の332億6700万円、支出は同4億3100万円減の324億1900万円だった。減価償却費などを除いた現金収支も過去最大の97億5100万円の黒字となった。
京都市営地下鉄は1981年の開業初年度は18億1千万円の黒字だったが、翌82年度から赤字に転落。その後、黒字に転じたことはなかった。単年度の赤字額は、最悪だった98年度が288億9900万円。
経常黒字化の理由として市交通局は、ロームシアター京都など沿線の集客施設の整備で1日平均の乗客数が前年度比1万3千人増の37万2千人まで伸びたことや、駅ナカビジネスの積極展開によるテナント料収入の増加などを挙げる。
一方、事業資金不足を補う借入金の累積は309億1800万円に上り、企業債などの残高は3910億6900万円ある。合わせて4200億円を超え、さらなる縮減が迫られている。
市営地下鉄は2010年3月に、全国の地下鉄事業で唯一、自治体財政健全化法に基づく健全化団体に転落した。市は1日当たりの乗客を5万人増やすなどの目標を立て、18年度までの健全化団体脱却を目指している。