(上)ヘアドネーションのために髪を長く伸ばしていた3姉妹、(下)短くなった髪型で笑顔
病で髪を失った子どもへの医療用かつら用に髪を寄付するため、京都市伏見区の3姉妹が、30センチ以上伸ばした髪を切った。闘病経験がある長女の「困っている人の助けになれば」という思いに、妹たちも賛同した。
高校1年の藤枝樹亜(じゅあ)さん(15)、小学4年の樹(いつき)さん(10)、同1年の夏樹(なつき)さん(6)。2014年まで、家族でベトナムに住んでいた。樹亜さんは日本人学校6年だったとき、寄付された毛髪でかつらを作る「ヘアドネーション」のことをニュースで知った。
その後、樹亜さんはウイルス性の病に倒れて1カ月間の入院後に帰国し、車いすでの生活を送る。「しんどい経験をしたこともあって、人の助けになりたいと思った」と樹亜さん。中学1年の夏、伸ばし続けた髪を切って、初めて寄付した。再び髪が伸びると「次は3人で寄付しよう」と呼びかけ、樹亜さんを慕う妹たちもうなずいた。
同区の美容室で、3人の髪は束に分けられて切られ、肩までのショートカットになった。「切った理由を聞かれたら、友だちにヘアドネーションのことを宣伝できる」。樹亜さんがうれしそうに話した。
ヘアドネーションは、大阪市のNPO法人「JHD&C(ジャーダック)」が始め、これまで259人の子どもたちに医療用かつらを贈っている。府内では活動に賛同する理美容室が85店ある。
【 2018年04月17日 京都新聞 】