初公開とされる「花鳥図押絵貼屏風」
江戸時代の絵師伊藤若冲の生誕300年を記念した展覧会「若冲の京都 KYOTOの若冲」(京都新聞など主催)が4日、京都市左京区の京都市美術館で始まる。3日に関係者向けの内覧会があり、京都だからこそ生まれた自由奔放な作品の数々が披露された。
若冲と言えば、緻密に描き込まれた色鮮やかな花鳥画のイメージが強いが、会場には水墨画も目立った。墨や紙の特徴を生かした技巧的な屏風(びょうぶ)作品から、軽快でユーモラスな人物像まで幅広く、監修した美術史家の狩野博幸さんは「いずれも18世紀京都の自由な精神が生み出した」と評する。
「あかんべー」をする「布袋図」や、どこか寂しげな「蓮池双亀図(れんちそうきず)」など、初公開とみられる個人蔵の作品も展示する。12月4日までの期間中、展示替えを含めて計約120点を紹介。月曜休館(10月10日は開館)、有料。