駅のホームにつり下げられられた南部風鈴。乗降客に涼を感じさせている
東日本大震災からの復興を後押ししようと、岩手県の名産品である南部風鈴を駅につり下げるキャンペーン「悠久の風」が、京都市左京区の叡山電鉄鞍馬駅で行われている。本格的な夏を控える中、約190個の風鈴が風に揺られて心地よい音色を奏で乗降客に涼を感じさせている。
鞍馬で幼少期に修行したとされる源義経が、奥州平泉(岩手県)に渡った縁にちなんで、2013年から毎年続けている。叡電と旅の情報スペース「風の駅」(上京区)が主催した。
ホームと待合室につり下げられた風鈴は、風が吹くたびにチリンチリンと清涼感のある音を響かせている。風鈴の短冊には、震災を乗り越えてとの願いを込めた陸前高田市の「奇跡の一本松」を飛び越えるウサギのデザインをはじめ、木版画家の井堂雅夫さんによる中尊寺金色堂などの図柄が描かれている。
催しが5年目を迎えたのを記念し、待合室に「悠久の風文庫」を設けた。岩手や京都、鉄道などに関連する約180冊の本が並び、中には岩手県庁の職員から寄付された地域色豊かな本がある。南部風鈴をつるした電車「悠久の風」号の運行やうちわ型の1日乗車券の販売もする。
9月末まで。風鈴は風の駅と鞍馬駅で販売しており、1個1200円。売り上げの一部は被災した岩手県の三陸鉄道に寄付する。