太平の舞を披露する稚児の林君(中央)と禿の小嶋君(左)と桐原君
祇園祭の長刀鉾(京都市下京区四条通烏丸東入ル)は5日、神事始めの儀式「吉符入り」を行った。稚児の林賢人君(10)らが、17日の巡行の際に鉾の上で行う「太平の舞」を、長刀鉾会所2階から行き交う市民に披露した。
午後3時、会所で保存会の役員らが祭りの無事を祈り、西村利男代表理事(67)が、稚児や禿(かむろ)の桐原真優君(9)、小嶋啓太君(9)の名前の書かれた「吉符」を神前に奉納した。
稚児と禿の3人は役員の前で舞を披露した後、会所2階の窓際に並んだ。クジャクの羽を使った「蝶とんぼの冠」をかぶり、若草色の振り袖に藤色の裃(かみしも)を着用した林君は、祇園囃子(ばやし)に合わせ窓から大きく身を乗り出して舞った。
禿の2人も、今年新調された、すすき模様の「涼み衣装」に身を包み、寄贈の真新しいうちわを手に、林君に合わせて舞を披露した。
会所の前には多くの市民が集まり、3人の優雅な一挙一動に見入った。林君は「前に乗り出せるよう、足をできるだけ伸ばすようにした。85点から90点のできだった」と笑顔を見せた。