(花蓮 14日 中央社)今月9日に東部・花蓮県の景勝地、太魯閣(タロコ)国家公園九曲洞付近の車道を自転車で走行中に落石にぶつかり、意識不明の重体となっていた日本人男性が12日夜、搬送先の花蓮慈済医院で死亡した。病院側が13日、明らかにした。
同院の陳培榕副院長によれば、男性は搬送時には重度の昏睡状態で、頭部の骨折により前頭葉が圧迫されていたほか、脳幹出血も起こしていた。手術を施したものの、救命はできなかったという。
同院によれば事故後、男性の父親、弟、婚約者が日本から花蓮に駆け付けていたという。
落石事故が起きた車道は、台湾中央部を横断する中部横貫公路。同公路は主に山間部を走るため、落石による死亡事故が多発している。
今回落石事故が起きた地点の車道を管理する交通部(交通省)公路総局第4区養護工程処は今年、落石事故の発生率を低下させようと、落石が起こりやすい地点を調査し、見つかった34カ所のうちすでに19カ所の改善を行った。だが、山間部の道路は台風や雨、地震などの影響で新たな落石地点が発生しやすく、一定のリスクがあるという。
同処は死亡した男性に10万台湾元(約36万7000円)の慰問金を支給する。今後は国家賠償の請求について遺族を支援するとしている。