京都市は29日、京都駅南側の上下水道局本庁舎(南区)を市営地下鉄烏丸線十条駅近くの同局資器材・防災センター(同区上鳥羽)に移転させ、跡地を京都駅東南部エリアの振興拠点として活用する方針を明らかにした。
本庁舎は1956年、水道局が市役所(中京区)から移転したことに伴い建設された。敷地面積は約4400平方メートル。本館と別館を備え、総務部、水道部と上水道部の管理部門の職員約430人が勤務する。
跡地活用は、市が3月に策定した駅東南部エリアの活性化方針に基づき進める。芸術活動の拠点誘致や商業・サービス機能の集積などを検討している。本庁舎南側の元山王小跡地と合わせた利用も想定している。賃貸や売却などで財源の確保にもつなげる。
移転先の資器材・防災センターは本庁舎の南西1・8キロにあり、配水管や水道メーターなどを所蔵している。敷地は約1万5400平方メートルと広く、油小路通などの幹線道路にも近い立地から移転先に選んだ。
新たな本庁舎は、緊急時の防災対応機能を備える。本庁機能を置くほか、応急給水や復旧作業を迅速化するため、南区、伏見区、下京区などを所管する上下水道管路の維持管理部門を集約する。市北部エリアを担う太秦庁舎(右京区)に対し、市南部エリアの拠点にする。
29日の市議会代表質問で、門川大作市長は「水需要の減少が続く厳しい経営状況にある。(本庁舎の移転や跡地活用により)業務執行体制の効率化や、財政基盤の強化を図る」と答弁した。