(台北 20日 中央社)台湾の標準時をめぐり、市民から変更と現状維持で対立する要望が寄せられたのを受け、内政部は19日、標準時変更は形式上のものになる可能性があり、効果は限定的だとする見解を公表した。発議者は変更の効果について、中国大陸と台湾が互いに従属していないことを海外からの旅行者に象徴的に訴えられると主張していた。
市民からの提案は、公共政策について一般市民から意見を募るサイト「公共政策網路参与平台」に提出された。10月16日に標準時を現行のGMT+8(グリニッジ標準時から8時間進めた時刻)から、日本や韓国と同じGMT+9に変更すべきだとする提案が発議された後、同20日には同提案に反対する市民から現状維持を希望する意見が出され、いずれにも立案に必要となる5000件を大きく上回る8000件以上の賛同が寄せられた。先月24日、提案に関する会議が行われ、発議者や賛同者、所管機関の内政部をはじめとする関係機関の職員が意見を交わした。
内政部によると、変更を求める発議者の発議理由にからみ、標準時の変更により台湾と中国大陸の関係を明確化できるか、国際的存在感を高められるかが会議の重点とされた。出席者は概ね、効果には限りがあるとの考えを示し、台湾のソフトパワーを宣伝、あるいは人権問題に対する成果を宣揚することで台湾と中国大陸の違いを世界に知ってもらうよう提案した。
内政部は、標準時変更は国民の生活リズムには影響がないものの、日光の活用による節電効果には限りがあるとし、変更初期には交通安全にリスクが生じる恐れがあるほか、交通機関のダイヤ調整などで印刷費などのコストが増えるなどの可能性を指摘している。