2015年に閉館したテレサ・テン記念文物館
(高雄 12日 中央社)2015年に閉館したまま、再オープンのめどが立っていないテレサ・テン記念文物館(高雄市)を復活させようと同市の民間団体が市に働き掛ける方針だ。地元民は地域の活性化に期待を寄せている。
テレサの記念館は2009年、同市を流れる愛河のほとりに開業。台湾鉄路管理局(台鉄)の施設を借り、個人による管理の下で運営されていた。中国大陸からの観光客が多く訪れ、1日に2000人近く来訪することもあったという。だが2015年、施設の老朽化により閉館を余儀なくされた。
記念館の再オープンを目指しているのは、高雄市国軍眷村文化発展協会。同団体は、戦後中国大陸から移り住んだ人々の集落「眷村」に関する展示を行う「眷村文化館」を記念館の候補地として挙げている。テレサは中国大陸出身の両親を持ち、幼い頃は眷村で暮らした。同団体の総幹事、孟繁コウさんは、眷村文化館にテレサの記念館が設立できれば、観光の促進につながるはずだと話す。文化館がある左営区内の里長(町内会長)37人から設立に関する同意の署名を得ており、同市政府文化局に働き掛けていく方針だという。(コウ=王へんに行)
同局文化資産センターの李毓敏主任は中央社の取材に対し、眷村文化館の所有権は国防部(国防省)にあり、現在、同部と調整を図っているところだと説明。財産権が市に移転されれば、同館の使用について検討できるとしている。だが、同部は現在、同館の営利目的での使用を禁じているという。