映画「曇天に笑う」原作者の唐々煙(からからけむり)は、大津市の唐崎出身で、唐崎の「唐」をペンネームに入れている。唐崎小の頃から漫画を描き始め、2005年にプロデビューした。
代表作の「曇天に笑う」は、大津を舞台に「逆境の中でも笑っていられる人の強さ、一生懸命に生きる人たちを描きたいと思った」。主人公の天火と同様、自らも3人きょうだいの一番上で「天火は一番描きやすかった」という。
曇神社は、映画では日吉東照宮で撮られたが、漫画では「自分の幼い頃からの遊び場だった」という琵琶湖岸の唐崎神社をモチーフにした。「滋賀県人として、琵琶湖はあることが当たり前。今は大阪に住んでいるので、逆に故郷愛が強くなりました」
映画は時間などの制約上、漫画と物語が変わった部分もあるが、「3兄弟がちゃんと映画の中で生きていたのでうれしかった」。
今は、「曇天に笑う」から300年前の戦国時代の近江を舞台にした漫画「煉獄(れんごく)に笑う」を描く。「漫画も映画も地元の人に見てもらいたいけど、家族に見られるような感覚で、すごく照れます」とはにかんだ。