ヘリから特殊詐欺被害防止を呼び掛ける「スカイコール大作戦」
高齢者を狙った特殊詐欺が滋賀県内で相次ぐ中、県警は不審な電話があった地域の上空に県警のヘリコプターを飛ばし、空から注意を呼び掛ける活動を15日、始めた。名付けて「スカイコール大作戦」で、県警によるとヘリを使った防犯活動は全国的にも珍しいという。
息子をかたるオレオレ詐欺などの不審電話を県警が把握した場合、周辺地域にヘリが急行。「この付近にオレオレ詐欺の電話がかけられています。注意してください」「現金やキャッシュカードは絶対に他人には渡さないで」などの録音音声をスピーカーから流す。音声はヘリから1・5キロの範囲で聞こえるという。
県警は、メールでも新しい詐欺の手口などを発信しているが、メールを利用していない高齢者らに情報が届きにくいのが課題だった。このため、被害が予想される地域の住民に直接、効果的に訴える方策として、ヘリの活用を決めた。
昨年県内で発生した特殊詐欺事件は比較可能な2011年以降最多の161件となり、被害総額も約4億9300万円(前年比2億4700万円増)に上った。被害拡大を防ごうと、県警は昨年、滋賀観光バス(甲賀市)と連携し、添乗員がツアー客に詐欺の最新手口を伝える取り組みを始めるなど、あの手この手で対策に乗り出している。
15日は同県日野町にある県警のヘリ発着場から県警ヘリ「いぶき」が飛び立ち、大津市から守山市にかけての湖南地域を飛んで注意を呼び掛けた。
県警生活安全企画課は「広範囲に直接、緊急に注意喚起できるので、被害防止が期待できる。あらゆる手段を使って、被害を減らしたい」としている。