4月から県内全域の公道で走行が解禁される2人乗りの「タンデム自転車」(
滋賀県内で4月から、2人乗りの「タンデム自転車」が解禁される。目の不自由な人もサイクリングの爽快感を楽しめる利点があり、県公安委員会が規則を改正した。ただ、一般的な1人乗り自転車とは交通ルールや操作感覚が異なるため、県は「安全に乗ってもらうのが最大の課題」とし、慎重に普及を図る考えだ。
複数のサドルやペダルがあるタンデム車は、県内ではこれまで自転車専用道路のみで走行が認められていたが、実際には専用道路がなく利用できなかった。目の不自由な選手も参加するトライアスロン競技や障害者の団体などが解禁を求めていた。
近年、京都府や兵庫県など16府県が相次いで解禁する中、県公安委は「社会的な機運が高まっている」(県警)として県道路交通法施行細則を改正。乗員2人まで県内全域で乗れるようにした。
歩道は走れず、「自転車および歩行者専用」の標識がある道は普通自転車が対象のため、タンデム車は車道の左側を走らなければならない。「自転車を除く」と表記された進入禁止や一方通行の道路標識でも、タンデム車は対象にはならないなど交通ルールが異なる。
全長が長いためカーブが曲がりづらい点や、スピードの出やすさ、目の不自由な人と乗る際の息の合わせ方など操作面でも注意が求められる。県警は「事故防止のためにも、しっかりと習熟してもらう必要がある」と指摘する。
自転車を生かした観光振興に取り組む県も、琵琶湖を一周する「ビワイチ」への活用には、車道が狭い区間があるなど安全面での課題があるとする。4月までに「ルールや乗り方などの啓発方法を検討していきたい」としている。