高雄に飛来するクロツラヘラサギ
(台北 30日 中央社)東アジアにしか生息しない絶滅危惧種のクロツラヘラサギの世界一斉調査によると、台湾で今年確認された個体数は2195羽で、過去最高を記録した昨年(2601羽)より406羽減少したことが分かった。中華民国野鳥学会と香港観鳥会が28日、記者会見を開いて発表した。
一斉調査は東アジアや東南アジアにある40カ所余りの地点で毎年1月に行われるもの。今年は世界全体で昨年と同じ3941羽が確認された。このうち、越冬個体数が最も多い台湾が占める割合は昨年の66%から55.7%に低下した。
台湾以外では、中国大陸が744羽(347羽・87.4%増)と大きく増加したほか、日本は508羽(75羽・17.3%増)、香港は350羽(25羽・6.7%減)だった。
中華民国野鳥学会によると、台湾でクロツラヘラサギがよく飛来するのは、南部の台南、高雄、嘉義など。今回の調査では、台南が1265羽(545羽・30.1%減)と大幅減。詳細な原因はまだ分かっていないという。台南市野鳥学会からは、生息地となる湿地帯が飽和状態になっている可能性を指摘する声が上がっている。