南部・屏東県で陸軍の戦車CM11が橋から川に転落し、乗員5人のうち3人が死亡した事故に関して、野党・時代力量の徐永明・立法委員(国会議員)は16日午後、自身のフェイスブック上で、同戦車には無限軌道(走行ベルト)の購入をめぐる不正疑惑があるとして、事故に関連している可能性を指摘した。
これに対して、陸軍司令部は同日夜、軍への贈賄容疑がある業者から押収された無限軌道は、自走砲のM109A2に使用されており、戦車用のものではないと説明。事故との関連性についても否定した。一方、徐氏は検察の発表を根拠として、問題の業者は戦車用ベルトの試作資格認定試験でも不正を働いていたと反論している。
検察の発表によると、軍の関係者が2011年、認定試験で不合格となったCM11と主力戦車のM60A3用の無限軌道の試験内容を改ざんして合格にし、見返りとして多額の賄賂を受け取った疑いがあるという。
徐氏は、今回の事故は(軍の)計画に緻密さを欠いていたために起きた可能性が高いと強調。装備の全面的な点検や、不正が起きる組織上の問題を解決する必要性を訴えた。
事故を起こした戦車は演習参加後にキャンプへ戻る途中だった。生き残った運転士は、橋の上で左への方向転換ができなくなり川に転落したと話している。
軍では、7月に海軍の哨戒艇が対艦ミサイルを誤射し、漁業関係者4人が死傷するなど不祥事が続いている。