離島・澎湖にある漁翁島灯台=交通部航港局提供
(台北 12日 中央社)交通部航港局は昨年から、台湾各地の灯台を対象にした修繕・整備プロジェクトを進めている。同局が11日に発表したところによると、プロジェクトは、文化財の保護や灯台機能の強化を図るほか、所在地の自然景観や生態などを生かし、観光資源としての灯台の魅力を引き出すことを目指すもの。すでに各地で灯台の「健康診断」が行われているという。完了予定は2020年末。
同局の統計では、台湾の灯台36基のうち、築100年以上のものが20基あり、国や県・市の古跡、あるいは歴史的建造物などに登録されているものも11基に及ぶ。プロジェクトではこれら文化財の修復のほか、一般の灯台についても施設の改善などが行われる。また、より多くの灯台を文化財に登録すべく、さまざまなエピソード、資料探しにも着手している。
同局航安組の劉正善科長によると、最近の調査で、離島・澎湖の漁翁島灯台は1951年、軍事的な理由から迷彩色に塗られ、1969年に本来の白に戻されたことが分かった。このほか、1874年に供用開始された離島・金門の烏坵嶼灯台にもエピソードがあった。国民党政権下の1971年、当局は、設計者のイギリス人技師、ヘンダーソン氏が残した英語の記念碑を、中国語にするよう要求。灯台員が機転を利かせ、布をかけて検査の目をくぐり抜けたことで、そのまま保存されて現在に至るという。
現在一般開放されている灯台は12基。同局は、プロジェクトの進行状況や地理的条件などを見ながらその他の灯台についても一般開放の可能性を検討したいとしている。