台北周辺に生息するカンムリオオタカ
(台北 25日 中央社)台北市周辺では近年、昼行性猛禽類のカンムリオオタカの生息が確認されている。都会生活への適応に奮闘する姿を捉えたドキュメンタリー映画「都市遊侠―鳳頭蒼鷹」も制作され、25日、台北市内で試写会が開催された。監督の王[吉吉]宜氏は、都市の猛禽類は、郊外の仲間よりも生活ぶりや繁殖状況が良好だと紹介。スマートフォンにばかり気を取られず、都市の生態系の豊富さにも目を向けてほしいと呼び掛けた。
映画の下地となったのは、民間の研究団体「台湾猛禽研究会」が農業委員会林務局の補助を得て2013年から行ってきた研究プロジェクト。24時間体制で巣作りや子育ての様子を撮影し、インターネットなどで公開してきた。
同会の林思民副理事長によると、カンムリオオタカは、台北市内の小学校前や、台湾大学付属病院の周り、中山北路の街路樹など、意外に身近な場所に生息している。巣はビルの3階程度の高さに築かれていることが多く、木の上に目をやれば見つけられるものの、そのことに気づいている市民はまだ少ないという。
林務局の林華慶局長は、カンムリオオタカが台北周辺に生息する理由として、▽生態系保全の意識が広く根付き、むやみに捕獲する市民がいない▽緑が多く、巣作りしやすい▽落ち葉をあえて残す取り組みをしており、エサとなる脊椎動物や昆虫などが増えた、などを挙げている。