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ふん激減、美化意識高まる好循環 京都の黄色チョーク作戦

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道沿いの草むしりをする住民たち。
以前は「ふんが出てくると思うとやりたくなかった」と思っていた活動だ(宇治市広野町) 



 放置された犬のふんを黄色いチョークで囲み、飼い主に自制を促す「イエローチョーク作戦」。活動発祥の地となった京都府宇治市内では、放置されるふんが減った結果、高齢者らが安心して歩けるようになり、住民同士のつながりも充実して積極的にまちを美化する動きがあるなど、好影響が現れている。

 夕暮れ時の宇治市道下居大久保線(通称・カムループス通り)。全長2・75キロの通り一帯はかつて、放置された犬のふんが目立ち、小学生たちが「ウンコ通り」と呼ぶこともあったという。5月下旬、記者が両サイドの歩道の一部を歩いてみたが、見える範囲にふんは落ちておらず、すっかりきれいな環境に変わっていた。

 一帯は周辺道路も含め、イエローチョーク作戦が広がっている。カムループス通りと交差する細い道を歩いていた宇治市広野町大開の男性(79)に声を掛けると、「ずいぶんきれいになった。気持ちよく歩けるね」。高齢者が地域を安心して歩けるようになれば、健康づくりにもつながりそうだ。

 一戸建て住宅が立ち並ぶ同町の宮谷地区。歩道沿いの雑草が刈られ、ごみ袋に入れて積まれている。平和台自治会有志の活動だ。数カ月に一度、雑草が目に付くと刈り取るが、以前は活動を敬遠する住民もいた。

 「草むらに手を突っ込んだらふんが出てくるかと思うと、刈る気がしなかった」。主婦の柴田千鶴子さん(59)は打ち明ける。かつては地域の貯水池沿いで、道端の雑草に隠すようにふんが放置されていることが多かった。歩道上にも目立ち、中学生がふんを避けるため車道を歩いて通学する姿も見られた。

 ふんが徐々に減ると「まちをきれいにしよう」と住民の機運が高まり、気付いた人が進んで草刈りをするようになった。特定の住民にふん放置の疑いの目を向けるような摩擦もなくなり、柴田さんは「チョークが住民のつながりを生んだ」と効果を実感する。

 イエローチョーク作戦を考案した宇治市職員の柴田浩久さんは、運動が防犯にも役立つとみている。「ふんがあった場所に『パトロール中』と書くだけで、人の目が向いている場所だと知らせることができる。地域を見守る目が増えていくことに意義がある」と広がりに期待を寄せる。
(京都新聞)


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