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和牛、京都から海外へ 関西初、米とEUの輸出認定も

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輸出向けの食肉処理設備が導入された京都市中央食肉市場(京都市南区) 

和牛の輸出に向けた動きが京都、滋賀で活発化している。京都市は3月に食肉を解体する市中央食肉市場(南区)を建て替え、輸出向けの設備を強化。2020年度までに、審査が厳しいとされる欧米向けの輸出体制も整える。滋賀県からも近江牛の輸出が盛んだ。海外市場で販路を開拓する取り組みが広がっている。

■輸出額目標は3億円

 京都市は市中央食肉市場で、牛と豚の解体ラインを完全に分離させたり、高温の蒸気による殺菌装置を導入したりするなど、輸出用の設備を導入した。本年度中にタイとマカオに輸出する施設としての認定を取得する予定。20年度までにさらに衛生管理を厳格化し、関西で初めて米国と欧州連合(EU)から認定を受ける計画だ。

 今春には「市中央食肉市場和牛輸出戦略」を策定。全国から和牛を集荷し、輸出額を18年度の1600万円から、22年度には3億円に引き上げる目標を掲げた。4割程度は府内産の高品質和牛とする考え。市は「人口減少で国内需要が先細る中、新たなビジネスチャンスだ。輸出で市場の集荷量が増えれば、市民にも良質の食肉が届くようになる」(同市場)と意気込む。

■日本食レストラン増加、世界で市場広がる

 輸出の取り組みで先行する食肉卸・小売業者もある。銀閣寺大西(左京区)は市外の食肉処理場を通じて、15年に初めて府内産和牛をシンガポールに輸出。現在は香港やイタリア、タイなど11カ国へ輸出する。海外での日本食レストランの増加を背景に実績が年々拡大しているという。

 今後は市中央食肉市場を利用した輸出に力を入れる予定だ。大西雷三社長は「国内需要は縮むが、世界では人口が増え、市場が広がっている。世界から評価が高いと生産者の励みにもなる」と話し、さらなる海外展開を視野に入れる。

 滋賀県でも、肉処理を行う滋賀食肉センター(近江八幡市)がタイやシンガポールなど7カ国の輸出に対応している。17年度は新たに台湾が追加され、輸出頭数は593頭と前年度の1・5倍に増えた。

 県も15年度に策定した「県農畜水産物輸出戦略」で、県内外から輸出する近江牛の頭数を直近の440頭から20年度に800頭へと伸ばす目標を設定している。県畜産課は「海外で日本食需要が増えており、好機ととらえて取り組みたい」としている。


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