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稲川淳二「怪談ナイト」8月京都公演、サザン桑田もリスペクト

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稲川淳二「怪談ナイト」8月京都公演、サザン桑田もリスペクト


「京都は怪談もあるけど、妖怪の話が多いですよね。文化が蓄積している場所は妖怪が多いんですよ」と語る稲川淳二さん(京都市内) 


怪談の語り手として知られる稲川淳二が、71歳になる今年の夏も、名物公演「怪談ナイト」で全国を巡る。京都公演はお盆前の8月11日、ロームシアター京都(京都市左京区)で開く。「非日常の恐怖スポットとかではなく、誰でも体験しそうな身の回りの日常の中にある怪談を語りたい。おじいちゃんちに遊びに行く感覚で楽しんで」と語る。

 「怪談ナイト」は今年で25周年。40代半ばから続けるが、「怪談は、やはり70代からですよ。40代や50代は、まだまだ説得力がない。還暦を過ぎたあたりから味が出てきたかもしれないけど、まだ欲望がにじんで生っぽい」

 特に女性の艶(つや)っぽさも漂う話は、70代になってできると感じる。「いやらしく思われては駄目で、70を過ぎた枯れたジジイが語ると、さっぱりして笑えてくる。これからは、そんな怪談もしていきたい」

 公演では怪談を90分、心霊写真の解説を30分。会場の雰囲気に合わせ、怪談は今夏初披露する5~7話を組み合わせる。テーマは掲げず、「温かい情愛を感じられる話を詩的に語ったり、日常の笑いから突然恐怖に陥る話をしたり、いろんな色を出したい」と構想を練る。今年は、昭和初期の洋館風のセットを作り、そこにいる「じいさん」という設定で語る。

 日本では怪談「牡丹(ぼたん)灯籠」で知られる落語家の三遊亭円朝(1839~1900年)が怪談噺(ばなし)の第一人者とされる。稲川は「僕が一番影響を受けたのは、幼い頃、母親が枕元で聞かせてくれた怪談。修学旅行で何人か集まったら、怪談をするでしょ。そんな日常に根付く怪談をしていきたい」。

 タレントとして全国を飛び回っていた縁もあり、今でも各地から怪談ネタが寄せられるという。冬の間は、そうした話を確認して歩く。

 サザンオールスターズの桑田佳祐が昨年、全国五大ドームなどで開いたソロライブ中、稲川の「怪談ナイト」での姿格好をまねた「稲川ジェーン・フジオカ」と称して登場。京都の三十三間堂にまつわる話を披露した。

 「桑田さんからリスペクトしてやりたいって事前に連絡が来て、うれしかったですね。東京ドームに招待されて見たんですけど、みんな笑ってて。怪談は暗いものじゃなくて、笑ってもらったり、怖さの中に優しさや美しさを感じてもらったりするのが一番です」

 古希を迎えて「枯れてきた」というが、とどまるところを知らないトークは、まだまだ健在だった。午後5時半開演。前売り5500円(当日500円増)。キョードーインフォメーション0570(200)888。


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