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“京の宿”増加へ規制緩和 京都市が新方針 開業地域に特例

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京都市は31日、観光客の増加に対応する「宿泊施設拡充・誘致方針」(仮称)の素案を明らかにした。東京五輪が開かれる2020年までに市内で新たに6千室分が必要と見込み、宿泊施設の立地が原則できない地域でも一定の要件を満たせば特例で開業を認める方針を打ち出した。一方、一般住宅を提供する「民泊」については、国の法整備を踏まえ、独自ルールの構築を目指す。

 市内では外国人観光客が急増し、宿泊施設が不足する状態が続く。市によると、15年に316万人だった外国人宿泊客数は20年に少なくとも440万人まで増える見通しで、受け入れには1万室の増加が必要という。このうち4千室分はすでに開業が予定されているが、6千室分が足りないとみている。

 市は宿泊施設を増やすため、住居専用地域や工業地帯、市街化調整区域といった、通常は立地できないエリアの活用を検討する。市内産の素材や伝統産業製品を積極的に取り入れることを前提に、高級型や宿泊可能なレストラン型など一定の要件に当てはまる場合に、建築基準法の特例許可などを用いて建設を可能にする。

 鉄道駅周辺でのホテルや旅館の開業も一層促す。特に京都駅周辺などアクセス性の高いエリアについては、容積率などの規制緩和も含めて誘導策を練る。また、来年4月には市観光MICE推進室に総合窓口を設置し、宿泊施設の開業や旅館の事業継承などの相談に応じる。

 民泊を巡り、国は東京五輪に向けた宿泊施設不足の対策として新法で推進する方針だが、記者会見で素案を示した門川大作市長は「マンションやアパートの一室を提供するような形は基本的に認めない」と述べた。京町家の活用など「京都らしい」民泊は推進する方針で、新法で地域の実情に応じた運用が可能になるよう国に求めていく。

 市は素案に対する市民意見を7日~10月7日に受け付け、10月には正式に方針として策定する見通し。


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