蹴上発電所
日本で初めての事業用の水力発電所として造られた「蹴上発電所」(京都市左京区)が、電気・電子分野などの歴史的な技術や製品をたたえるIEEE(電気電子技術者協会)の「マイルストーン(道標)賞」に認定された。12日、記念式典が東山区で開かれた。
蹴上発電所は、1891(明治24)年に送電を開始。琵琶湖疏水の水を引き込んで落差を利用して発電しており、京都の街灯や工業生産、95年に開通した国内初の電車「京都電気鉄道」の動力源にもなった。1942(昭和17)年に京都市から関西電力の前身・関西配電に引き継がれ、125年を経た現在も電力を供給している。
式典でIEEEのホワード・ミコル前会長は、国内産業の近代化に貢献したと認定理由を述べ、京都市の門川大作市長と関西電力の岩根茂樹社長に銘板を手渡した。門川市長は「未来を展望し、行動した先人の思いを評価される重みを実感している。琵琶湖疏水を含めた世界遺産登録を目指した取り組みも前に進めたい」と話した。
IEEEは米国に本部があり、マイルストーン賞には、国内では東海道新幹線や、オムロンなどの開発した鉄道自動改札機を含め28件が認定されている。