うすくスライスした聖護院かぶらを手際よく樽の中に積み上げる職人たち
立冬の7日、漬け込みが本格化している千枚漬けの作業現場が京都市伏見区で公開された。漬物職人が聖護院かぶらを薄く削り、手際よくたるの中に並べる熟練の技を披露した。
千枚漬けは京都の冬の味覚を代表する京漬物。聖護院かぶらは気温の低下に伴い甘みが増すため、底冷えが増すこの時期に漬け込み作業が最盛期を迎える。
漬物大手「大安」の本社工房では、法被姿の職人たちが、「シャッシャッ」と小気味良い音を響かせながらカブラを2・6ミリの薄さに削り、円を描くようにたるの中に積み上げていった。塩漬けの後、昆布や調味液で味付けする工程を経て約1週間で出来上がる。
同社によると、台風被害の影響で聖護院かぶらの収穫量が伸び悩んだが、最近は持ち直しているという。来春まで12万個を漬け込む予定。
京都地方気象台によると、この日の市内の最低気温は平年より2・6度低い7度だった。