今年の漢字に決まった「金」を揮毫する森清範貫主
一年の世相を表す「今年の漢字」に「金」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で12日、日本漢字能力検定協会(同区)が発表した。金が選ばれるのは3度目で、史上最多のメダルを獲得したリオデジャネイロ五輪での日本選手の活躍や、舛添要一前東京都知事の政治資金流用など「政治とカネ」の問題を反映した。
応募総数は15万3562票で、最多の「金」は6655票を集めた。理由として、リオ五輪のほかに、野球のイチロー選手のメジャー通算3000本安打達成など「金字塔」、東京五輪の巨額経費問題やマイナス金利導入など「カネ」を挙げる人が多く、米大統領選を制したドナルド・トランプ氏の「金髪」を連想するとの意見もあった。
清水寺の森清範貫主(76)が「清水の舞台」で大型和紙に「金」と揮毫(きごう)した。「多くの国民の心に五輪での日本選手の姿が残るとともに、政治とカネの問題を見逃さないという思いも感じた」と話し、来年のえと「酉(とり)」を引き合いに「一番最初に暁を告げるという『金鶏』のように、輝く年になってほしい」と願った。
2位は米大統領選や英国のEU離脱の国民投票、選挙権年齢引き下げ後初の国政選挙が行われたことから「選」、3位に熊本地震や東北地方の大雨被害など天変地異を受け「変」が入った。以下は「震」「驚」「米」と続いた。今年の漢字は1995年に始まり、22回目。