金色の涅槃図が壁一面に貼られた「利生堂」
京都市東山区の高台寺に、法要や講演会を催す「利生堂(りしょうどう)」がこのほど完成した。堂内のホールの壁一面に、同寺所蔵の涅槃(ねはん)図のデジタル複製画が貼り巡らされており、後藤典生執事長は「お釈迦(しゃか)様が亡くなる際の涅槃図を拝み、生や死を見つめ直す場になれば」と話す。
木造平屋建て300平方メートル。内部のホール「聴聞室」はハスの花をイメージし八角形をしている。以前は売店があった場所で、移転に伴い新築した。
涅槃図は寺に伝わる南北朝期の作品の複製。金色で彩られ、正面に横たわる釈迦を、嘆き悲しむ弟子や動物たちが取り囲む。天井には飛天が舞い、釈迦の母摩耶夫人も下界の様子を見守る。
20日から自由に参拝できる。1月下旬以降に「いのちをみつめる」と題し、僧侶や学者らが登壇するパネル討論会を10回開催する。