(台北 24日 中央社)新竹市の光復高校で行われた開校記念祭のコスプレイベントで、一部生徒がナチス・ドイツの軍服を模した衣装を着用したことが、波紋を広げている。24日には駐台北イスラエル経済文化弁事所(大使館に相当)が厳しく非難し、台湾はホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の歴史と意味を教えるべきだと呼びかけた。
騒動はフェイスブックに掲載されたイベントの写真が、インターネット掲示板「PTT」に転載されたことで拡大。写真には“軍服”を着た生徒らがナチス・ドイツを象徴するハーケンクロイツ(カギ十字)の旗や鷲の紋章を笑顔で掲げる姿が写っており、中にはダンボール製のティーガー戦車の上でナチス式の敬礼をする生徒もいた。
学校側は同日、友好国や人々の感情を傷つけたとして謝罪。関係者の責任を追及し、再発防止に努めるとした。コスプレイベントは歴史上の人物をテーマに行われていた。
くしくも台湾は、英国の調査会社イプソス・モリが公表した2016年度の「無知指数」で世界40カ国・地域中インド、中国大陸に次ぐ第3位にランクインしており、ネット上では「これがその原因だ」と皮肉るコメントが多数見られた。
総統府は24日、生徒らの行為は戦争で迫害された人々を軽んじており、近代の歴史に対しても無知であると批判。
また、ドイツの対台湾窓口機関、ドイツ在台協会も同日、フェイスブック上で今回の騒ぎに言及。ナチスのマークは人権の軽視や迫害を意味するものだとして遺憾の意を表明した。
台湾では過去にも、軍主催のキャンプで参加者がナチスの軍服を着用し、国防部(国防省)がイスラエルに謝罪していた。