(台南 15日 中央社)台湾本島はここ数日、気温が下がり始め、温泉にぴったりな季節になってきた。南部・台南市にある関子嶺温泉は、世界的に珍しく、台湾では唯一の泥湯が楽しめる温泉地として根強い人気を誇る。日本統治時代に開発が始まった同地域には、今でも日本の風情が漂っている。
関子嶺温泉は日本統治時代の1889年に日本人によって発見されたと伝えられている。泉質は弱アルカリ性の炭酸泉で、源泉の温度は75度前後。北投、陽明山(ともに台北市)、四重渓(屏東県)と並ぶ台湾四大温泉の一つに数えられているほか、交通部観光局が基準を満たした温泉施設に与える「温泉標章」を地域内の全施設が取得した初の温泉地でもある。
温泉施設の数は20~30軒。規模は大小様々で、それぞれに特色がある。比較的人気が高いのは個室風呂で、休日ともなれば順番待ちをする人の姿も多くみられる。
台南市政府観光旅遊局と交通部観光局シラヤ国家風景区管理処、関子嶺の業者は近年、協力して観光誘致を実施。毎年秋から冬にかけて、温泉やグルメなど地域の特色を組み合わせたイベントを開催している。