発酵させた大豆などを天日干しして仕込まれる一休寺納豆
(京都府京田辺市・一休寺)
京都府京田辺市薪の酬恩庵一休寺で、名物「一休寺納豆」の仕込みが本格化している。大きな木おけに漬けた大豆や塩をかき混ぜながら天日干しする作業が進み、境内にしょうゆのようなこくのある香りを漂わせている。
一休寺納豆は、はったい粉を混ぜた大豆を発酵させ、塩水を加えて乾かす。粘り気はなく、みそのような塩辛さが特徴。晩年を同寺で過ごした一休宗純が製法を伝えたとされる。
今夏は7月中旬まで気温が低めで発酵が遅く、蔵の中でストーブをたき、木おけ三つに計約330キロを仕込んだ。11月ごろまで毎日木のへらでかき混ぜ、来年5月ごろに乾燥が終わるという。
京都市北区の大徳寺一帯でも一休により同様の製法が伝わるが、一休寺は、さらに1年熟成させてうま味を引き出す。酒のつまみとして好まれるほか、同寺ではおかゆに入れたり、粉末にして調味料などにも使うという。同寺で100グラム850円で販売している。