(台北 14日 中央社)台北地検は14日、通信保障および監察法違反などによる機密漏えいの罪で、馬英九前総統を起訴した。「司法と政治の分別をわきまえなかった」としている。
馬氏が総統だった2013年、野党・民進党立法院党団(議員団)の柯建銘総召(院内総務に相当)が自身にかけられた会計法違反容疑などに関する上訴を検察側に断念させるため、王金平立法院長(国会議長)を通じて口利きなどの司法介入を行ったとする疑惑が浮上。これを検察が調べていたが、馬氏が関連の捜査機密を江宜樺行政院長(首相)に漏らしたとして民進党関係者が馬氏を告発した。(役職・肩書きはいずれも当時のもの)
台北地検は、馬氏が理由なく機密を漏えいしたほか、捜査中の機密の漏えいを教唆したと指摘。特定の目的以外での情報利用や人民の基本的権利の侵害など、犯罪に関与した事実は明確だとしている。
一方、馬氏は昨年11月に地裁に出廷した際「私は何も罪を犯していない」と容疑を否認。同氏事務所の広報担当者は14日、「自分自身の潔白に自信を持っている。公平で正義の判決が下されることを期待する」と同氏のコメントを伝えた。