イベント「多彩日本」の開幕式典であいさつする赤間二郎総務副大臣=25日、台北市(共同)
台湾を訪問中の赤間二郎総務副大臣は25日、台北市内で日本の地域の魅力を発信するイベント「多彩日本」の開幕式典に出席し「日台は緊密な関係を持つ素晴らしいパートナーだ」と述べた。1972年の日台断交後、公務で訪台した政府高官としては最高位。日台接近を警戒する中国が反発する可能性もある。
中国は中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」原則を掲げ、台湾の対外関係に神経をとがらせる。赤間氏の訪台は安倍晋三政権の台湾重視の表れで、対中けん制としても同様の方針が今後も続くとの見方が強い。式典に出席した台湾の対日窓口機関、亜東関係協会の邱義仁会長は訪台に謝意を示し「日台で困難を乗り越え、運命共同体として関係を深めたい」と語った。
赤間氏は式典終了後に「日中関係が2国間関係のうち最も重要な一つであることは変わらない」と表明。台湾とは「民間の実務関係を維持する」と中国に配慮もにじませた。博鰲アジアフォーラムに出席中の福田康夫元首相は25日、赤間氏の台湾訪問に関し「尖閣諸島(沖縄県)の領海近辺に中国船が時々やって来る。お互いにそういう形で刺激し合うのがいいのか我々も考えなければいけない」と述べた。
(日経)