台湾メディア・聯合報は6日、日本で「カリスマ清掃員」として知られ、中国大陸や台湾でも注目を集めた新津春子さんが同日台湾の松山空港を訪れ、トイレ清掃のデモンストレーションを行ったと報じた。
記事は、「国宝級のカリスマ」と称される新津さんの経歴を紹介。中国生まれで来日後に東京の羽田空港で長年清掃員として従事し、仕事の細やかさ、責任感の強さが大いに認められたとし、同空港を「世界で最もきれいな空港ランキング」の常連に押し上げる原動力となっていることを伝えた。
そのうえで、新津さんが6日午前に松山空港の2階にある男子トイレとバリアフリートイレでデモンストレーションを実施。便座と便器で使用するタオルを変える、便器の深い部分まで拭き掃除する、目視できない部分は鏡を使ってチェックするなどといった細やかで気配りのある仕事ぶりを披露したことを紹介した。
そして、新津さんの作業を見ていた現地の清掃スタッフが「彼女は本当に、どんな細かい部分も疎かにしない」と感銘を受け、そのテクニックを学ぼうとしていたとした。さらに、新津さんが「これまで自分が大それたことをやっていると感じたことはない。単に、掃除する場所を自分の家と思い、しっかりお客さんをもてなそうと考えているだけだ」と語ったことを伝えている。
具体的なテクニックもさることながら、「何事もおろそかにしない」という点を間近で体感したというのが、現地の清掃スタッフにとっては大きな収穫だったと言えるだろう。細かい部分までしっかり掃除をするという思いがあれば、自分自身で工夫し、テクニックを編み出すことにつながる。テクニックだけ学んでも、気持ちが入っていなければ結局は何も変わらないのだ。