京都三大念仏狂言の一つ、嵯峨大念仏狂言の春季定期公演が8日、京都市右京区の清凉寺で行われた。小雨混じりの中、観光客ら約150人が、独特のユーモアを含んだ無言劇を楽しんだ。
同狂言は鎌倉時代に始まったとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。1963年に後継者不足で一度途絶えたが、75年に地元住民が復活させ、現在、10~80代の保存会員35人が守り継ぐ。
本来の舞台の狂言堂が昨年秋から改修工事に入ったため、今回は本堂を囲む廊下を舞台に見立て、鐘や笛のリズムに合わせて3演目を披露した。「大黒狩」は、僧侶に妻子がいることがばれて、寺を追放される喜劇。妻子をついたての奥に必死で隠すが、次第に気付かれてしまう僧侶の滑稽な姿が、観客の笑いを誘っていた。
9日も午後1時半から3演目を上演する。