液体を掛けられる被害の状況を確認する宮田長官(京都市左京区・下鴨神社)
文化庁の宮田亮平長官が9日、京都市左京区の下鴨神社を訪れ、同神社をはじめ、全国で文化財に液体が掛けられる被害が相次いでいることを受けて、庁内にプロジェクトチーム(PT)を立ち上げたことを明らかにした。被害建物の修繕や再発防止に取り組むとしている。
文化庁によると、1日から4日にかけて、下鴨神社や金峯山寺(奈良県)、首里城(沖縄県)など5カ所の国宝や重要文化財に、液体が掛けられているのが見つかった。
これを受け文化庁は5日付で、山﨑秀保文化財部長をチームリーダーとする同庁幹部11人によるPTを発足した。液体の成分分析や除去を行うほか、監視カメラの充実など再発防止策を検討している。
下鴨神社の幣殿や橋殿などを視察した宮田長官は、「神聖な場所なので、(被害は)非常に残念だし、憤りを感じている。さまざまな対策を検討し、何とか事態を終息させたい」と話した。