琉球華僑総会(張本光輝会長)は19日、台湾から観光で沖縄訪問中に、妊娠7カ月の早産で884グラムの男児を出産した李(り)さん(20)に、医療費支援で100万円を贈った。
日本の保険制度が適用されず医療費はすべて自己負担。男児が集中治療室に入っていることもあり、医療費負担は現時点で600万円近いという。
那覇市内の同総会事務所で支援金を受け取った夫の鄭(てい)さん(23)は「ご厚意に本当に感謝している」と深々と頭を下げた。
鄭さん・李さん夫婦は、新婚旅行のため3月29日に来日。3泊4日の日程で4月1日には台湾へ戻る予定だった。しかし李さんが30日未明に破水し、急きょタクシーで病院へ向かった。ツアー添乗員も通訳として同行し、未熟児出産に対応可能な沖縄県立南部医療センター・こども医療センターへ移送。李さんは帝王切開手術で男の子を出産した。 鄭さんは「6月後半が出産予定日だったので、破水した時はパニックになった」と振り返った。
手術は成功したが、予期せぬ「外国」での出産で、夫婦には大きな金銭的負担がのしかかった。男児は安定するまでの入院が必要で、今後負担額はさらに増える見込みだ。 張本会長は「子どもが一日も早く、健康な状態で台湾に帰れるよう願っている。
琉球華僑総会が夫婦のために支援金の募集活動を行ったところ、日本や台湾、その他の国・地域から続々と募金が寄せられ、約200件、1200万円の支援金が集まったとした。また、東京に住む男性は1人で500万円の資金を提供したと紹介している。
記事によれば、支援を受けた夫婦は深い感謝を示すとともに「みなさんの恩情は忘れない。今後社会に報いていきたい」と語っているという。実際に必要とされる費用のほぼ倍額にあたる支援金が集まったことになるが、余ったお金については外国人の医療費や関連費用として同協会から沖縄県に提供されるとのことである。