(台北 6日 中央社)台湾南部・高雄市にある在来線・台湾鉄道の車両工場「高雄機廠(きしょう)」は2019年に屏東県潮州に移転する。工場跡地は一部の建物や線路などが文化資産として保存され、市民の憩いの場に生まれ変わる予定。
2日には立法委員(国会議員)らの招きに応じた交通部(交通省)や台湾鉄道を運営する台湾鉄路管理局(台鉄)の担当者らが現場を視察するとともに、移転時期や移転後の包括的な計画について話し合いが持たれた。
台鉄の何献霖・副局長によると、高雄市の鉄道地下化計画に合わせ、すでに移転予定地の土地収用手続きに入っており、今月中には開発許可を取得、内政部(内務省)で審議が行われる見込み。現地ではすでに地質調査が始まっているという。
高雄機廠の歴史は、日本統治時代の1917年に建設された高雄鉄道工場にまでさかのぼれる。1946年に高雄機廠と改名、1975年には現在地に移転した。敷地面積は約30ヘクタール。
高雄機廠の所在地は前鎮区と鳳山区にまたがる。両区とも人口密度が高く、車両編成や入れ替えなどの作業のために付近の道路が封鎖されたり、地元の駐車スペース不足を招くなどの弊害も指摘されていた。移転後の跡地を地域活性化のために有効利用することが期待される。