除幕式を行う八田修一氏(手前左)と頼清徳氏(手前右)ら
(台南 7日 中央社)4月に破壊された台南市の八田与一氏の銅像修復が完了し、7日に除幕式が行われた。同市の頼清徳市長をはじめ、八田氏の親族や八田氏の地元である金沢市の山野之義市長など、日本と台湾から多くの関係者が詰め掛けた。八田氏の孫、修一さんは、銅像が修復されたことがまだ信じられないと感激を示した上で、銅像を見るために来たのではなく、日台の壊れることのない友情を確かめに来たのだと語った。
頼市長は、銅像が壊されたことは遺憾だとし、犯行は日台の友情の破壊が目的だったが、双方の関係は試練を乗り越えてこそ、より深く結ばれるのだと述べた。
銅像は先月15日に頭部が切断され、同市の奇美博物館などの協力を得て修復が進められていた。だが、銅像が再度襲撃されるのを懸念した関係者は、修復に関する情報公開を控えていたという。頼市長は、先月26日には修復が完了していたことを除幕式で初めて明らかにした。
銅像の破壊については、元台北市議会議員の男らが犯行を認めており、現在、男らには出国制限が課されている。台南地方法院検察署(地検)は共犯の有無について調べを進めるとしており、依然行方不明となっている銅像の頭部についても捜索を続ける方針。
八田氏の命日に当たる8日には、慰霊祭が予定されている。