(雲林 9日 中央社)中部・雲林県の農田水利文物陳列館には、日本統治時代の水利技師、八田与一氏の展示室が設けられている。八田氏が手掛けた灌漑施設など、模型や資料などの展示を通じ、その功績を紹介している。
八田氏は中南部複数の行政区にまたがる灌漑水利施設、嘉南大シュウの建設に尽力したことで知られている。八田氏の指導の下、1920~30年代に烏山頭ダムなどの施設が整備され、約1500平方キロメートルに及ぶ水田を潤している。(シュウ=土へんに川)
雲林県もその恩恵を受けており、同館を管理する雲林農田水利会は、同県を流れる水路、濁幹線も八田氏の業績の一つだとしている。台湾最長の河川である濁水渓(約187キロ)には、3カ所の取水口が設けられており、そのうちの一つから取水されている濁幹線は、現在も同県の農業を支えている。