浄土真宗本願寺派の宗祖親鸞の誕生を祝う、毎年恒例の降誕会(え)が21日、京都市下京区の同派本山・西本願寺で営まれた。重要文化財の南能舞台では祝賀能が上演され、1200人を楽しませた。
本願寺と能は室町時代の本願寺8世蓮如のころから関係があるといい、19世紀後半からは祝賀能が恒例となった。
世襲制の門主の代替わりを祝う「伝灯奉告法要」が営まれていることから、父子をテーマにした演目となった。冒頭、現在では西本願寺でしか見られないという「お能始めませい」との「触れ」から始まった。観世流シテ方の片山九郎右衛門さんらが出演。優雅な天女の舞と山神の激しい舞いがある世阿弥作「養老」や、文殊菩薩(ぼさつ)の使いである獅子が変化に富んだ華麗な舞いを披露する「石橋(しゃっきょう)」などが披露された。観客たちは、日本最大級の屋外能舞台で演じられる能に見入っていた。
また、親鸞の木像を安置する御影(ごえい)堂で法要が営まれ、境内南側にある唐門が34年ぶりに開かれた。