平安時代の船遊びを再現する車折神社(京都市右京区)の「三船祭」が21日、同区の嵐山・渡月橋上流の大堰(おおい)川で行われた。真夏を思わせる日差しの中、龍の頭などで飾り立てられたきらびやかな船がゆったりと進み、船上では雅楽や舞楽が奉納された。
十二単(ひとえ)を着た清少納言役の大谷沙織さん(28)をはじめ、平安装束に身を包んだ三船祭保存会や神職、いちひめ雅楽会、日本今様歌舞楽会メンバーら約100人が参加した。
一行は中之島から船着き場まで行列した後、河原の祭壇で「芸能・芸術を通した世界平和」を祈願。龍頭(りゅうとう)船や鷁首(げきす)船などに分かれて乗船し、御座(ござ)船に乗った大谷さんは船べりから扇を川に放つ扇流しを披露した。
集まった大勢の観光客は手こぎボートで船の間近まで繰り出し、カメラや携帯電話で優雅な王朝絵巻の一コマを写真に収めていた。