世界遺産二条城(京都市中京区)の多彩な二の丸御殿障壁画を紹介する「戯れる虎たち」が、城内の収蔵館で開かれている。狩野派による、豊かな表情のトラやヒョウを来場者が楽しんでいる。
重要文化財の障壁画を年間で4期に分けて紹介する展示企画。今回は、二の丸御殿で最も広い「遠侍」一の間を彩った「竹林群虎図」と、廊下の杉戸絵「竹虎図」の計18面を並べた。一の間の作品すべてを同時に展示するのは初めて。
中国・宋から伝わった絵画や仏教の説話などを題材に、当時の日本にいなかったトラとヒョウを同じ生き物の「虎」と考えて描かれている。楽しそうに駆けたり、竹林の中でまどろんだりするしぐさは、力の象徴の生き物を将軍が手なづけ、玄関近くを守らせているという意味が込められていたとされる。
6月18日まで。入場料と入館料が必要。