昭和初期のモダニズム建築として知られる住宅「栗原邸」(京都市山科区御陵大岩)の一般公開が20日、始まった。当時最先端の技術だったコンクリートブロックを使った重厚な邸宅を鑑賞する人たちが訪れている。
栗原邸は、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大)の校長を務めた染色家鶴巻鶴一の邸宅として1929年に完成した。同校教授だった建築家本野精吾が設計を担当、2014年に国の登録有形文化文化財になった。
現在、京都工芸繊維大や大手前大の学生が修復に携わり、11室のうち7室がかつての面影を取り戻した。将来にわたって建物を継承するために、建築家や研究者らでつくる「住宅遺産トラスト関西」が新しい所有者を募っている。
この日は、午前10時からの公開を待ちかねたように市民らが来館、完成当時の調度品が残された室内や、屋上テラスからの眺めを楽しんだ。北区から訪れた横井雅史さん(53)は「初めて来たがすばらしい建物。大切に引き継いでほしい」と話した。
公開は、21、27、28日もあり、21、28日は午後2時からギャラリートークを行う。入場料千円(学生500円)。