(台北 6日 中央社)台北市内の小学校前に設置されているこま犬の石像を破壊したとして元台北市議の男ら2人が器物損壊容疑で逮捕された事件で、台湾高等法院(高裁)は5日、士林地方法院(地裁)が認めた勾留を取り消し、審理を差し戻した。高裁は、勾留ではなく保護観察や住居制限にできないか調査するよう命じている。
士林地方法院検察署(地検)は先月29日、2人に5万台湾元(約18万4000円)での保釈を命じたが、2人とも拒否。検察は逃亡の恐れがあるとの判断から勾留請求に切り替えた。地裁は検察の請求を認めたが、2人はこれに対し不服を申し立てていた。
勾留決定の取り消しについて高裁は、2人は警察や検察の取り調べに応じており、犯行も認めているにもかかわらず、なぜ逃亡の恐れがあると判断したのか、その根拠が曖昧だとしている。また、保釈を拒否しただけで、身体の自由を最大限に奪う勾留に処す必要があるかどうかについても調査を求めた。
2人は先月28日、台北市北投区の逸仙小の前でこま犬を破壊しているところを現行犯逮捕された。4月中旬、南部・台南市の烏山頭ダムにある日本人水利技師、八田与一の銅像を破壊した容疑者でもあり、先月11日に台南地検に送検されている。