祇園甲部歌舞練場内に開館する「フォーエバー現代美術館」(京都市下京区祇園町南側)で企画展「草間彌生 My Soul Forever」の内覧会が6月9日、行われた。一般公開は10日から。
草間彌生さんの作品を中心に約700点の作品を所蔵する「フォーエバー」(秋田市)のコレクションを展示する同館。12月の本格オープンを前に、草間彌生さんの作品81点を4つのテーマに分けて展示する。
建物は1913(大正2)年に建築された木造2階建ての「八坂倶楽部(くらぶ)」。作品の展示のためにふすまを壁に改めた。壁は展示室ごとに五花街で見られる「浅葱(あさぎ)」「弁柄(べんがら)」といった伝統的な色に塗り分ける。全ての部屋が畳敷きで、好きな場所で座って見られるのも特徴で、通常より低い位置に展示しているという。
企画展では、1950年ごろの初期作品から草間さんの作品の重要な要素「網(Nets)」「水玉(Dots)」が現れていることが見て取れるほか、植物や靴、ドレスといった身近な品をモチーフにした作品、最初の版画「靴をはいて野に行こう」(1979年)から近作「七色の富士」(2015年)までを展示する。
来館者を出迎える「南瓜(かぼちゃ)」(2007年)やソフトスカルプチャー「私の魂を乗せてゆくボート」(1989年)、代表作の一つ「黄樹」(1992年)は撮影も可能。庭の散策もできるほか、広縁を「庭園ギャラリー」として庭と京唐紙が鑑賞できるスペースを設ける。
同館副館長の加藤淳さんは「今後は茶室や庭での展示も検討していきたい。花街の方々が守り継いできた日本の伝統を土台として、伝統と現代文化を融合させた発信をする場になれば」と話す。
隣接する「八坂ホール」にはミュージアムショップと約100席のカフェを併設。「南瓜」の手拭い(1,080円)、マグネット(3,888円)など約120点を用意。カフェでは、草間彌生さんオリジナルの器を使ったドット柄のあんみつ、ジェラート(以上700円)、ロールケーキ(800円)といったメニューも提供する。
開館時間は10時~18時。同展期間中の入館料は一般=1,200円、中学・高校生=800円。10月29日まで。
(烏丸経済新聞)