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川がないのに橋の欄干…実は埋め立てられた川の名残 京都

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欄干はかつて川が流れていた名残(京都市上京区油小路通上立売下ル)



京都市上京区の同志社大新町キャンパスにほど近い住宅地。道路脇に片側だけある橋の欄干が目に入った。その高さ約50センチ。眼下に川はなく、欄干のすぐ外側には倉庫が立っている。

 地元住民に聞くと、欄干は「川が流れていたころの名残」という。かつて「小川(こかわ)」と呼ばれ、鴨川から水を引き、一条戻り橋で堀川に合流した。1963年に埋め立てられ、主な流路は小川通になったという。

 欄干の長さは約6メートルで、石と金属製。埋め立て工事の際、何らかの理由で撤去されなかった。欄干のそばには「昭和10(1935)年6月 大出水地」という石碑も残る。

 かつてのせせらぎを想像しながら周辺を歩いた。「川にすむホタルが家の中に入ってきた」と教えてくれたのは、大西律子さん(78)。「大雨が降るとボールが流れてきて、網ですくうのが楽しみだった」とも。水害に悩まされたが、住民にとって川は近しい存在だった。

 同区のまちづくり団体「じゅらくだい倶楽部」で小川の調査を続ける松村泰廣さん(69)は「今でも石橋や橋の基礎が多数残る。昔を思い出しながら小川通を歩くのも楽しいですよ」と目を細めた。
(京都新聞)


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