(台北 16日 中央社)人気の観光スポットとして知られる龍山寺(台北市)は16日、境内に設置している香炉3基のうち2基の供用を終了した。香炉を1基に集約することで、参拝客が供える線香の本数を削減し、大気汚染の改善を図る。
環境保護意識の高まりを受け、台湾の一部寺廟では香炉を削減する取り組みが行われている。行天宮(同)は2014年に香炉を全面的に廃止。龍山寺も本来7基あった香炉を2015年に3基に減らしていた。だが、微小粒子状物質(PM2.5)の数値が改善せず、香炉のさらなる削減を決めた。
香炉が1基になったことで、参拝時に必要な線香は1本のみになる。龍山寺の職員によれば、「慣れない」と不満の声も多いという。だが、線香を上げるにせよ、手を合わせるにせよ、最も重要なのは誠意だと職員は理解を呼び掛けた。
この日行われた儀式に参加した柯文哲台北市長は、伝統文化はすぐには変えられないものの、伝統文化と環境保護の間でバランスを取ることが必要だとし、龍山寺の香炉削減は良い例だと評価。その他の寺廟も後に続いてくれればと話した。